経営者がKindle出版するメリットと、向かない場面

今井 陵太(ホンカキAI)

#本の書き方#経営者#専門家

経営者が本を出す価値は印税ではなく、初対面の前提が変わることにあります。実際に変わる3つのことと、Kindleが向かない3つの場面、置き場所の決め方を整理しました。

目次9項目)
  1. 印税で考えると、たいてい割に合わない
  2. 実際に変わるのは、3つ
  3. 「Amazonに並ぶ」ことの意味
  4. 向かない場面①|見込み客が、そこを見ていない
  5. 向かない場面②|中身を頻繁に直したい
  6. 向かない場面③|読んだ人が誰か、知りたい
  7. 出す前に決めておく2つのこと
  8. 置き場所は、1つに絞らなくていい
  9. まとめ

「本でも出そうか」と考えたとき、最初に調べるのはたいていKindleです。手軽に出せて、Amazonに並ぶ。

ただ、経営者にとっての損得は、書店に並ぶかどうかでは決まりません。この記事では、実際に何が変わるのかと、Kindleが向かない場面を先に整理します。

印税で考えると、たいてい割に合わない

先に、いちばん誤解されやすいところを。

本1冊の単価は小さく、書くには時間がかかります。かかった時間を本業の時給で割れば、まず割に合いません。だから「印税で稼ぐ」を目的に置くと、途中で手が止まります。

経営者が本を出す価値は、別のところにあります。

実際に変わるのは、3つ

出したあとに変わるのは、売上ではなく話の始まり方です。

  • 初対面の前提が変わる ── 「何をされている方ですか」から始まらなくなる
  • 同じ説明を繰り返さなくてよくなる ── 毎回口で説明していたことを、渡せば済む
  • 探されて見つかる側になる ── 自分から出ていかなくても、向こうから届く

3つ目が経営者にとっていちばん効きます。営業の向きが変わるからです。

本を出して変わるのは売上ではなく、話の始まり方
本を出して変わるのは売上ではなく、話の始まり方

「Amazonに並ぶ」ことの意味

自社サイトに置いたPDFと、Amazonに並んだ本。中身が同じでも、受け取られ方は変わります。

違いは中身ではなく、どこに置いてあるかです。自分の敷地の外、誰でも探せる場所に並んでいる。それだけで「自分以外の場所に出ている」という事実になります。

これは権威を借りる話ではありません。探せる場所にあるかどうか、それだけの違いです。ただ、その違いは実際に効きます。

向かない場面①|見込み客が、そこを見ていない

ここから、向かない場面です。

相手が限られている商売では、Amazonで探されることはまずありません。取引先が数十社しかないなら、Amazonに置くより、その数十社に直接渡すほうが速い

「広く知られること」に価値があるかどうかを、先に確かめてください。価値がないなら、置き場所を変えたほうがいい。

向かない場面②|中身を頻繁に直したい

制度、料金、手順。変わりやすいことを書く場合、出したあとの改訂が負担になります。

「出して終わり」にできる内容かどうか。半年後に直したくなる見込みがあるなら、出す前に置き場所を考え直したほうがいいです。

向かない場面③|読んだ人が誰か、知りたい

いちばん見落とされるのがここです。

Kindleで売れても、買った人が誰かは分かりません。名前もメールアドレスも手元には来ません。読者との関係は、出した側ではなくプラットフォーム側が持ちます。

本を認知を広げる道具として使うなら、これは問題になりません。むしろ広がるほうがいい。

しかし本を見込み客を集める道具として使うつもりなら、決定的です。読まれても、次につながりません。ここを確かめずに出すと、「反応はあったのに何も起きなかった」で終わります。

目的が「広く知られる」か「関係を作る」かで、置き場所が変わる
目的が「広く知られる」か「関係を作る」かで、置き場所が変わる

出す前に決めておく2つのこと

向き不向きを踏まえたうえで、出す前に決めるのは2つだけです。

  1. 誰に届けるのか ── Amazonで探す人か、自分が手渡す相手か。ここで置き場所が決まります
  2. 読んだ人に、どう動いてほしいか ── 何も用意していなければ、読まれて終わります

2つ目が抜けている本は多いです。読み終えた瞬間が、その人の関心がいちばん高いところ。そこに次の一歩が置いていないと、その熱は消えます。

書く中身の決め方はコンテンツ販売で売れるテーマの見つけ方に、章の並べ方は本の目次の作り方にまとめました。

置き場所は、1つに絞らなくていい

最後に。Kindleか自社配布か、という二択で考える必要はありません。目的が違うので、両方あってよいのです。

決めかねたら、この一文で判定できます。

この本を読んだ人に、こちらから連絡を取りたいか。

取りたいなら、自分で配る側に置く。取らなくていい(広く知られることが目的)なら、誰でも探せる場所に置く。それだけです。

そして、同じ内容を両方に置いても構いません。広く知ってもらう用と、渡す相手が分かる用。目的が違うので、片方を捨てる必要はないのです。

ホンカキAIは、後者の道具です。5つの問いに答えるとタイトルと目次のついた企画書ができ、書き上がったらリンクを知る人だけ+合言葉の限定公開で、渡したい相手にだけ届けられます。改訂しても同じリンクのまま最新版になるので、配り直しは要りません。1冊 100〜30,000円で販売でき、どこまで読まれたかも見えます。

一億総著者 ── あなたの知識や経験は、きっと誰かの一歩になる。まず一冊を作ってしまえば、置き場所はあとから選べます。


まとめ

  • 印税で考えると割に合わない。価値は「話の始まり方」が変わること
  • 変わるのは3つ。初対面の前提/同じ説明の繰り返し/探されて見つかる側になる
  • 向かない場面①:見込み客がAmazonを見ていない(数十社なら直接渡すほうが速い)
  • 向かない場面②:中身を頻繁に直したい(改訂が負担になる)
  • 向かない場面③:読んだ人が誰か分からない。見込み客を集める道具としては機能しない
  • 出す前に決めるのは2つ。誰に届けるか/読んだ人にどう動いてほしいか
  • 置き場所は二択ではない。目的が違うので、両方あってよい

専門家が一冊にまとめるまでの手順はAIで本を書く5ステップ、コンサルタント・コーチ・講師の方向けの使い方はこちらのページにまとめています。

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