本の目次の作り方──知見を章に分ける4つの型
本の目次で手が止まるのは、知識を分類しようとしているからです。専門家が自分の知見を章立てに落とし込むための4つの型と、章の数・1章の長さ・どの章から書き始めるかの決め方を整理しました。

本を書こうと決めたあと、多くの人が最初に止まるのが目次です。書きたいことは山ほどあるのに、章に並べようとすると急に手が動かなくなる。原因は経験不足ではありません。目次を「自分の知識の分類表」として作ろうとしているからです。
この記事では、目次で止まる理由と、専門家が使える4つの章立ての型、そして章の数と順番の決め方をまとめます。
目次で手が止まる本当の理由
自分の専門を目次にしようとすると、たいていこうなります。
- 第1章 基礎知識
- 第2章 制度の全体像
- 第3章 よくあるケース
- 第4章 応用
間違いではありません。ただ、これはあなたの頭の中の整理であって、読者が進む順番ではありません。読者は分類を読みたいのではなく、困りごとを解決したくて本を開きます。
目次は知識の分類表ではなく、読者が最初のページから最後のページまで歩く「道順」である。
道順として組み直すと、入れる話と入れない話が自動的に決まります。目次づくりが苦しいのは、削る基準がないからです。
型1|時系列型──「やる順番」がある知見に
手順が決まっているテーマは、そのまま順番が章になります。相続の手続き、採用のプロセス、事業計画の立て方など。
読者は「今どこにいるか」が分かるので迷いません。書く側も、前の章の続きとして書けるので筆が進みます。注意点は、準備段階の説明を厚くしすぎないこと。第1章が「前提知識」で埋まると、読者は本題に着く前に離脱します。
型2|問題解決型──「症状」から入る
読者が自覚している困りごとから章を立てる型です。
| 章 | 中身 |
|---|---|
| 第1章 | その症状が起きている状態を描く |
| 第2章 | 本当の原因(読者が誤解している点) |
| 第3章 | 対処の考え方 |
| 第4章 | 具体的な手順 |
| 第5章 | 再発させない仕組み |
この型の強みは、冒頭で読者に「これは自分のことだ」と思わせられることです。コンサルタントや士業のように、相談を受けてから解決までを何度も通っている人にいちばん向いています。初回面談で毎回話している順番が、そのまま使えることも多いはずです。
型3|誤解訂正型──「よくある勘違い」を章にする
現場で何度も訂正している誤解を、そのまま章にする型です。
- 「◯◯すればうまくいく」と思われているが、実際は違う
- なぜその誤解が生まれるのか
- では何を見るべきか
専門家の価値がいちばん出る型です。一般論はネットで読めますが、「多くの人がここを間違える」という指摘は、実際に何十件と見てきた人にしか書けません。あなたが年に何回も同じ訂正をしているなら、それは章のタネです。
型4|Q&A型──蓄積があるならこれが最速
受けた質問をそのまま章と節にする型です。すでにメールやチャットで答えた文章があるなら、材料は集まっています。
ただし、質問を並べただけでは本になりません。似た質問をまとめ、答えの背後にある共通の考え方を章の冒頭に置いてください。それが無いと、読者は「自分の質問が載っていない」で終わってしまいます。
どの型を選ぶか
| 迷ったら見るところ | 向いている型 |
|---|---|
| 手順が決まっている | 時系列型 |
| 相談内容がいつも似ている | 問題解決型 |
| 訂正することが多い | 誤解訂正型 |
| 質問の蓄積がある | Q&A型 |
型は混ぜても構いませんが、1冊の中で主になる型はひとつにしてください。途中で骨格が変わると、読者は道順を見失います。
章の数・長さと、どの章から書き始めるか
はじめての一冊なら、本編は5〜7章を目安にしてください。章が10を超えると、書く側の体力が続かず、読む側も全体像を持てません。
1章あたりは3〜5節。1節は「ひとつのことだけ」を言い切る長さにします。節が長くなってきたら、それは2つのことを話しているサインなので分けてください。そして、入れないと決めた話はメモに残すこと。次の本の目次になります。
書き始めるのは第1章からでなくて構いません。いちばん何度も話している章から書いてください。手が動きますし、書き上がった1章が本全体の基準になります。
書く順番と読む順番は別物です。読者に見せる順番さえ目次で決まっていれば、執筆はどこから始めても構いません。
はじめに(前書き)は最後に書くのが鉄則です。全部書き終えてからでないと、「この本で何が分かるか」は正確に書けません。
まとめ
- 目次は知識の分類表ではなく、読者が歩く道順
- 型は4つ。時系列/問題解決/誤解訂正/Q&A から主役をひとつ選ぶ
- はじめての一冊は本編5〜7章、1章3〜5節が目安
- 入れないと決めた話は捨てずに残す。次の本の目次になる
- 書き始めるのは第1章ではなく、いちばん話し慣れている章から
章立てが決まったあとの進め方は、AIで本を書く5ステップにまとめています。ホンカキAIでは、5つの問いに答えるとタイトルと目次のついた企画書ができるので、この4つの型を当てはめるところから始められます。話した内容がそのまま本になる流れは、コンサルタント・コーチ・講師の方へのページで具体的に説明しています。