AIが書いた文章はなぜ読まれないのか──直す3か所
AIが書いた文章が読まれないのは、文章力の問題ではありません。具体・判断・読者の3か所が抜けているからです。下書きのどこに何を足すと最後まで読まれるのかを整理しました。

目次(7項目)
AIと下書きを作ろうとして、最初に止まるのが「読まれない」という壁です。文章は整っていて、誤字もありません。
原因は文章力ではありません。書き手にしかない材料が抜けているからです。この記事では、読まれない理由と、直す3か所を書きます。
読まれない原因は文章力ではない
AIが出す下書きは、平均点がとても高いです。誤字はなく、段落の長さもそろっています。
それでも読者は途中で離れます。文章のどこにも、書き手が出てこないからです。
読者は情報だけを取りに来ているわけではありません。誰がそう言っているのかを、同時に確かめています。
離れるときの合図は、だいたい次の3つです。
- どこかで読んだ話に見える
- 例が一般的で、場面が浮かばない
- 誰に向けた文章なのか分からない
3つとも、うまい言い回しでは埋まりません。足りないのは表現ではなく材料です。
AIの文章はどこで読者を失うのか
読者は最初から最後まで同じ読み方をしていません。段階ごとに、確かめていることが変わります。
| 読む段階 | 読者が確かめていること | 抜けていると起きること |
|---|---|---|
| 冒頭の3行 | 自分に関係がある話か | そのまま閉じる |
| 最初の見出し | 具体が出てくるか | 斜め読みに変わる |
| 中盤 | 書き手の判断があるか | 検索に戻る |
| 終盤 | 次に何をすればよいか | 読んだだけで終わる |
いちばん多いのは、2行目から4行目で閉じられる形です。ここで自分の話だと思えないと、以降は開かれません。
つまり直す場所は文章の全体ではありません。この4か所に材料を置き直すほうが早く済みます。
1か所目|具体を自分の記憶から足す
具体とは、固有名詞と数字と場面のことです。AIはあなたの記憶を持っていないので、ここだけは用意できません。
下書きの一般論の段落をひとつ選び、その直後に自分の場面を置いてください。順番は、一般論が先で具体が後です。
足す材料は、次の3種類から探します。
- 何年に、どこで、何件くらい見た話か
- そのとき相手が口にした一言
- 自分が最初に選んで、うまくいかなかったやり方
3つめがいちばん効きます。うまくいった話はどこにでもありますが、外した話は本人にしか書けません。
目安は、見出し1つにつき具体を1個です。2個以上を詰めると、今度は主張のほうが見えなくなります。
材料の集め方そのものはAIで本を書く5ステップにまとめました。問いに答えていく形にすると、自分では当たり前だと思っていた話が出てきます。
2か所目|判断を書いているのは誰か
AIの下書きは、両方の説を並べて終わります。角は立ちませんが、読者が待っている一行が抜け落ちます。
読者が読みたいのは、どちらが正しいかではありません。あなたならどちらを選ぶか、です。
| よくある下書きの一文 | 判断を入れた書き方 |
|---|---|
| 一般的には〜とされています | 私は〜のほうを採ります |
| 状況によって異なります | 従業員が3人以下なら〜にします |
| 大切なのはバランスです | 先に〜を決め、あとから〜を合わせます |
書き換えるときは、次の3つを1文ずつ足します。
- どちらを採るのか
- 採らなかったほうを、なぜ捨てたのか
- 例外がどこまでかを1つだけ
例外を全部書くと、また両論併記に戻ります。1つに絞るのが、ちょうどよい量です。
3か所目|読者を一人に絞って名指す
AIが想定している読者は「誰でも」です。誰でも向けの文章は、誰にも自分の話だと思われません。
絞り込みは3つの軸で足ります。職種と、経験年数と、いま困っている場面です。
- 職種 ── 士業なのか、店主なのか、講師なのか
- 年数 ── 始めて1年目なのか、10年目なのか
- 場面 ── 何をしようとして手が止まっているのか
3つを決めたら、下書きの「多くの方」をすべて「あなた」に置き換えてください。呼びかけは1見出しにつき2回までにします。多すぎると押しつけに見えます。
対象外の読者を1行で断ることにも、遠慮は要りません。誰のための文章かがはっきりするほど、読む人は安心して先に進めます。
読者の絞り込みからテーマを決める手順はコンテンツ販売のテーマの決め方で扱っています。
直したあとは何で確かめるのか
直ったかどうかは、通して読み返しても分かりません。3つの検査を通してください。
- 見出しだけを順に読んで、あなたの主張が分かるか
- 固有名詞と数字を隠しても、文章がそのまま成立していないか
- 冒頭の3行に読者が出てくるか
2つめが効きます。数字を隠しても意味が通る段落は、まだ一般論のままです。
見出しだけで主張が通るかは、章立ての段階でも同じ検査になります。組み立て方は本の目次の作り方に書きました。
最後に分量を見ます。3か所を直すと文章は長くなるので、読み終わる時間のほうで上限を決めておくと迷いません。この決め方は登録特典は何文字が適切かで詳しく扱っています。
まとめ
- AIの下書きが読まれないのは文章力ではなく、材料が抜けているから
- 読者は冒頭の3行で、自分に関係がある話かどうかだけを見ている
- 1か所目は具体。年数と件数とその場の一言を自分の記憶から足す
- 2か所目は判断。両論併記をやめ、どちらを採るかを1文で書く
- 3か所目は読者。職種と年数と場面の3つで、一人に絞って名指す